オーボエは円錐形の構造をしています。そしてその先に振動体のダブルリードを差し込んで演奏します。このリードを口でカポッ！とくわえ鳴らすのですが、このリードは葦とういう竹に似た植物から作ります。それがオーボエの場合はクラリネットやファゴットと比べて小さくて繊細なんです。ですから顎やどこかに引っ掛けたりしたらもうアウトです。小さくて壊れやすいということは作るのに大変ということです。数値で言いますと、先端の薄さは100分の3ミリの薄さで、機械では到底削れない薄さなのです。

そんな薄くて繊細なオーボエのリードですが、200年も300年も前からオーボエはオーケストラや室内楽で活躍しているんです。そんなバッハやモーツァルトいやもっと昔の人たちはどうやってリードを作っていたのでしょう。
今は少しは作りやすくする道具がそろっていますが、その頃のオーボエ吹きたちの苦労は想像できます。

リードの完成度が悪いと、音程が悪くなり、ピッチも他の楽器と合わせられないということになります。その頃は、他の楽器奏者たちが、「仕方がない、オーボエの音程が悪いならオーボエのピッチも音程の悪い部分もオーボエに合わすしかない」と言うことで、合奏の中ではオーボエに合わすことが習慣化したということでした。いつの頃からかは分かりませんが、そういった理由でオーケストラのチューニングのAもオーボエに合わせていたんでしょうね。